Singapole
シンガポール


4/14 Sun.




 シンガポールの朝ぼらけ。 私たちの巨船は漁火を縫うようにゆっくり進む。 60年前のシンガポールは英国300年のアジア植民地統治の拠点で、、英軍の不落の要塞と言われたところ。 開戦二ヶ月、日本軍が破竹の勢いでマレー半島を南下、目標とした当時の紀元節(2月11日、建国記念日。初代神武天皇が即位されたという。)に遅れはしたが、激戦の末2月15日遂に英軍は白旗を掲げて無条件降伏した。 いわば日本の最も輝かしかったときだ。 その名も昭南島と改名し、南アジア統治の拠点として、民生にも力を入れた。 その裏には英印豪各軍の捕虜の扱い、協力した華僑の処罰などをめぐって、問題があり戦後戦犯として処刑された日本軍人も多かった。 まさしく戦争悪の坩堝だったところだ。 戦後は植民地を復活しようとする英国から独立、リーカンユーなど優れた指導者を得て早期に民生も安定し、台湾、香港と並んで東洋の虎といわれる経済大国に成長...。 
 私は今回二回目の訪問、前回は発展途上の30年前のこと。 音に聞くその成長ぶりを見たい。 また激戦地としてのジョホール・バルも見てみたい。 絢子は有名な蘭の植物園など、見たいところはたくさん。 
そこでここでは、二人別々のバスツアーに、私は「戦跡を訪ねる」、絢子は「ハイライト・シンガポール」に参加した。






















 これが音に聞こえたシンガポールの高層ビル群である。 30年前に訪れたときは、高層ビルは殆どなく、当時最高といわれた50階建ての電信電話会社のビルを、私たちの会社が建設していた。 今このスカイラインは、日本より華々しく見える。 さらに建設中のビルも数多く見られ、活気が漲っている。 ウーン、日本も頑張らないと。

島に溢れるアパート群。 今日は日曜日で、早朝ののせいか、人気は全くないが、いたるところ新築のマンション、アパートである。 変貌の著しさに息を呑む。 30年前にはカビの生えた汚い中層が海浜にあり、娼窟化していたものだ。
 


 移動の途中見る開発計画の素晴らしさ。 広い道路をはさんで、左側はビ ジネス、右側は住宅と画然としている。 建設中のオフィスビルには日本の建設会社の看板が挙がっている。 以前からシンガポールは日本の建設会社が活躍したところ。  
 




 私たち「戦跡を訪ねる」バスの乗客は50人ほど。 男性のお年よりばかりかと思うとそうではなく、殆どが奥さんも一緒で、単身は私を含めて数人。 若いオーストラリアの女の子もいる(話した!)。 日本人はもちろん私一人。 ガイドのインド系は日本の事を戦国時代から説き起こして、この島の占領から敗戦後のヤマシタ将軍の死刑までを詳しく解説。 よく勉強はしているが、日本人を好戦的ととらえているところが好きじゃない。 ツアーの途中何回か彼と話を交わしたが、どうもなんとなく日本人を恐れているような感じがあった。
 

  最初訪れたこのクランジの丘、国立戦没者墓地、シンガポール攻防戦だけでなく、太平洋戦争全期にわたる、連合国各国の将兵約5000が祀られているそうな。 ここからはマレー半島の南端にあって、淡路島ほどしかないこの島の、ジョホール水道をはさむ位置関係がよく見える。
 日本軍は三方から水道を渡って上陸、瞬く間に貯水池などを押さえ、英軍の息の根をとめたらしい。 私のかっての上司に、ここの戦いで腕に受けた銃創を見せてくれた人がいた事を思い出す。 紀元節までに占領するために、多くの犠牲を払ったという。


 カニング要塞戦闘指揮所は指揮官パーシバル将軍と連合軍スタッフの最後の場所で、小高い丘の上にあり、内部は当時の各室そのままに復元され、将軍以下の動き話す精巧な人形が配され、あわただしい雰囲気が伝わってくるようだ。 
 写真は降伏を渋るパーシバルが副官以下に説得され、条件つき降伏を承認するところ。 この条件は、日本軍山下奉文将軍の有名な、「無条件降伏だ。 イエスかノーか。」の一喝で反故となった。 なお山下大将はその後フィリピンに回され大敗、ルソン島の降伏調印ではパーシバルも同席、仇を打たれることとなった。 

   


















 島の南端、チャンギ空港に近い元捕虜収容所はいま、全面的な開発を行っており、昔日の面影はない。 ここの捕虜が泰緬鉄道の建設にかり出され、多くの犠牲者を出したことは、米映画「戦場にかける橋」のクワイ川マーチで有名。 




さて、一人で「ベスト・オブ・シンガポール」に行った絢子はどうしてるかな。 残念ながら、この暗い空では綺麗な写真も取れないだろうて。 

まあなんとか、植物園で幾つか花をデジカメに。















そして自分が花に囲まれて納まる。























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