Pusan/Korea

韓国・釜山


4/22/2002





 晴れた日には九州から望見できる隣の国韓国、冗談に「川向こう」など という、そんな近い隣国を、私たちはあまり知らないし関心が低い。  最近は日本人もかなり訪問するみたいだが...。 私たちも地球の裏側まで旅行しているのに、韓国は行ってない。  だからこれはちょうどいい機会。
 思えばこの土地も数百年まえの秀吉の時代には、日本人も侵攻したし、半世紀ほど前には中国、北鮮の連合軍にアメリカ軍をはじめとする 国連軍が追い詰められ、第二のダンケルクよろしく海路逃げ出したことは記憶に新しい。
 いま船はその韓国第二の都市釜山の港にゆっくりと近ずいて行く。 



 リーガル・プリンセスは釜山港埠頭にぴったり接岸、入港手続きを始める。 これがまた国によって全然異なる。 香港やシンガポールはイージー。 ベトナムは一応軍服?姿の 官吏が乗り込んで、出るとき戻るときにチェックする。 韓国はどうだろうか。 まあ、今日のツアーは お寺と市場だけだから、ゆっくりでいいか。

写真右下の物体は船の最上部プロムナードデッキの一部。




 今日最初に訪れるのは、七世紀に建てられた韓国の古刹の一つという Pomosa Temple ( 梵魚寺)だ。 七世紀中ごろというと、大陸は唐の時代、日本は遣唐使を送って文化の九州に努め、大化の改新を行って、古代国家の形態が明確になったころで、このあたりの百済という国と交流があったと教わった。
 今回のクルーズではタイから始まって、仏教の広まったあとを追うような形で、各地のお寺をみてきたが、日本に近い韓国では一体どんな寺なのだろうか。

 近ずくとあたり一体は小高い山の中腹にあり、入り口の地図によると、かなりの面積に広がっていろいろな建物がある。 ところがよくみてください、この地図、ハングル文字だけでかかれていて、漢字はおろかアルファベットも一つもない。 いくらハングル文字が世界に誇る発明文字でも、これではベトナムあたりと同じで、外国人には何のことかわからない。 まてよ、わが京都のお寺さんでは英語の解説文があったかな。

  そこで頼りにするのはガイドさんだが、このソウルから応援に駆けつけたという韓国女性、キレイですか。 そうね、肌はきれいだし姿もよい。 十人並み以上でしょう。 ところがこれが大変。 そう、肝心の英語がダメなのだ。 同じウラルアルタイ系言語を話す韓国人、その英語のダメさは、日本人と並んで定評あるところだが、この人のは語尾が全部うやむやになってしまって聞き取れない。 なんでも笑ってごまかしてしまう、と今までの最悪。
 ええい、しかたない、今日は自分で情報収集とするか。 あきらめは早い。 なにしろわかりにくい英語を聞いてると、頭が痛くなるほうなんで。

 
 さて同じクルーズ仲間の 身障者と老人のスピードにあわせてノロノロと石段をあがり、漸く山門にたどり着く。そこにはお定まりの額、「大本山 金井山梵魚寺」と読める。 イヤー、やはり漢字は偉大だ。 これで Pomosa Temple は「梵魚寺」だとわかった。 漢字を捨ててしまった韓国の人はかわいそうだ。 中国だってローマ字にしようとしたけど、結局簡体漢字にしてる。 日本だって国語をフランス語にしようという輩もおったけど、今はだんだん漢字を評価するようになった。 なにしろ形で意味がわかる文字なんて世界的にも貴重なものなんだから、捨てるなんて無謀だ。 
 
 
さて韓国人の色彩感覚にはわれわれ日本人のものとはかなり違ったものがあることはかねがね感じていた。 チマチョゴリと着物など民族衣装一つとっても、その差は歴然としている。 コリアン航空と日本航空のジャンボ機の色彩には、両国民の趣向の差がよく出ている。
 でこのお寺だが、復元するのによくまあこれだけ細密に派手に彩色したものだ。 日本の寺も建立当時は極彩色だったといわれるが、せいぜい宇治の平等院みたいに、ベンガラ一色といったところではなかろうか。 大阪の四天王寺だって、適度な赤色だ。 ここに現代韓国人の色彩感覚を感じる。

これは日本でいえば仁王さんの位置にいる仏?サンだが、有難味より滑稽味を感じる。











ようやく「伽藍」らしきものが現れた。 屋根の軒先の曲線などは日本のものに近く優美。 だが欄干の手すりのシェープ、全体の色彩にはわれわれにはなじめないものがある。  
 


 いまこのお寺は何かの行事の最中でこの飾り。
 これでは1500年の名刹も泣く。
 

 いくつかある祈祷所のようなところを覗かせてもらった。 熱心な地もとの信者数人と、坊さんが仏壇を前に念仏の最中で、この辺は日本の寺の光景とあまり変わらない。
 

















あーあ、色彩地獄から逃れて、やっと心休まる風景に出会う。 京都あたりの古寺の築地そっくりの土塀。 濃いみどり、淡い青の空。 ホッとしますネ。 














と竹林と石の階段。 この階段は私の生まれ育った家の「だんだん」を思い出させる。


















サー、始まったぞ、市場歩き。 どこの国にいっても、チャンスがあれば市場へ行くことにしている(それと水族館)。 第一カラフルでいい写真が取れるし、それにその土地の食事情が垣間見られておもしろい。 以前にバンコックの朝市で、タガメ(ご存知最大の水棲昆虫)を干して、タテに並べて売っているのをみた。 カブトガニも並べて売っていたので、一匹買って来た。 東京の税関で、お役人がカニの入っている袋に手を入れてトゲが刺さり、「イテテテ、なにか虫がいるな。」とわめいたが、なぜかそのまま通してくれた。 さてここチャ・ガル・チ 魚市場 にはいったい何があるだろう。  




まず最初に気が付いたこと。 売り子はぜんぶ女性だが、この女性たち、ぞろぞろ歩いてる客に声をかけるとか、そういった売込みを全然しないのだ。 だいいち目を合わせるのがイヤみたいでもある。 まあ、殆どが見物目当ての観光客だから魚を買っていくわけもないし...といったところか。 ひょっとすると、お上が補助金でも出してるのかも。 
 真ん中の円柱を半分に割ったようなものはマグロの胴体の一部。






唐辛子屋のおばさん。 しぶがみ色に日焼けして、いかにも「オモニ(韓国でオフクロさん)」らしい。 ちなみにこの市場、またの名を「Aunt's market 」というそうな。










出た! ブタのアタマ! みたくない人は目をそらせ。 右上は赤エイの干物、どうやって食べるのかな。 日本では生を味噌汁に入れるけど。

韓国の名誉のために、このすぐそばにある、普通のスーパーマーケットをご覧あれ。 日本やアメリカと同じでしょ。



    たった数時間の観光、しかも説明はわからないからギブアップ。 これでは韓国というか朝鮮半島にちょっと上陸したという程度。 どこに行っても、習いいぼえたそこの言葉で挨拶ぐらいは、というのがモットーだが、ここではついに「アンニョン...」の一言さえいう機会がなっかた。 なにしろ向こうがそっぽ向いてるんだから...。 いずれ機会があったら訪れよう。 いいところがもっともっとあるはずだから。

この旗でリーガル・プリンセスの船籍が英国であることがわかります。




  いま去り行く朝鮮半島。 ここから九州の長崎までわずか160カイリ。 晴れた日には見えるという距離を一晩かけて走る。 どうやって時間つぶすのかナ。 まさかジグザグに行くのでもあるまいが...。
 とにかくいよいよわが日本と思うとワクワクする。 引き揚げ船の話がよみがえる。 早く着いてくれよ。 





  本格デイナーも今日あたりで終わり。 まあ、とりあえず無事日本着を願って一杯飲もうか。


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