FAAライセンスを保持されている方へ。
2008年3月5日付けで、国際民間航空協定(ICAO)が国際線のパイロット免許に「英語力有」と言う裏書(endorsement)を持つことを必須事項としました。
「英語の試験が必要になる」と言ううわさを聞いた人もいるかもしれません。」
これを受けてFAAは「FAAの実技試験を受けるための資格として、英語力はすでに必須要件になっている。だから、あらためて英語の試験はしなくても良い。」と言う見解を打ち出しています。
新しく発行される免許には「English Proficient」という裏書がついてきます。
ただし、それ以前に取った免許には裏書はありません(私のにもありません)。
そういう人のために、FAAは、2009年3月5日までなら、「無条件で」裏書つきの免許に書き換えをしてくれると発表しました。
それ以降はどうなるの?特に説明はありません。英語による面接があるのかどうか何も発表されていません。
詳しくはFAAのページから。
しかし、せっかく無条件で書き換えてくれると言うのなら、今のうちに更新しよう、ということで、手続きをしてしまいました。
これで私も紙の免許(おもちゃじゃなくって本物です)ととうとうお別れです。
FAAのホームページからオンラインですることもでき、簡単です。
まずは登録してから(create an account)、オンラインサービスにログオンして、"order a replacement certificate"をクリック。
理由は"English Proficient"を選択。そのあとは、指示に従ってクレジットカードで手数料($2!送料込みでこの値段!)を払い込めばそれでおしまい。
忘れたころに、裏書つきのものが手元に届くでしょう。
前述のように「国際線(international flight)」する場合と限られているので、そうでない場合は要らないんですが、南カリフォルニアからメキシコへ遊びにいく人が結構いるので、そんな人は必要ですね。
書き換えの必要がない場合でも、このサービスに登録しておくと、住所変更なんかも簡単にできるので便利ですよ。
(09-02-2008)
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FSSが民営化(ロッキードマーチン)されてしばらくが過ぎました。
心配されていた有料化もなく、当初はスムーズに業務が移行されてほっとしたパイロットも多いかと思います。
ところが今になってなんだか怪しいぞ、FSS!
まず、いつもどおりの電話番号でかけると「どの州から電話しているのか言ってください」といわれる。
「カリフォルニア」というけどもちろん発音が悪いと「何言ってんのか分かりまへん。もっかい言って。」なんてぬかす。
ちゃんと通じても今度は「北部か南部か言え。」
何でそんなこと聞くねん?オークランドのFSSと話しているつもりだが、そうではないのか?
次に困るのが異様に長い待ち時間。いつまで経ってもブリーファーが出てこない。
人件費を減らすためにまた何人かくびにしたな。
ようやく出てきたブリーファーに、Reid-Hillviewから出発、といっても「それ何処?スリーレターで言って」
ぜんぜんベイエリアを知らない。やはりもうオークランドにはいないと確信した。
まだまだある。そんなつらい思いをしてファイルしたIFRのフライトプラン、エンジンかけてグランド呼び出しても「あんたのフライトプランファイルできてないよ。」
なんやそれ?他の飛行機も同様の苦情を言ってる。
ここ一ヶ月で急にこんなことが起こり始めた。生徒も先生もかんかん。
どうやら本当にFSSの大編成替えがあったようだ。きっとどこか人件費と土地代のとても安い地域に施設を移動し、
安い労働力を確保し、今までいたベテラン(=高給取り)をくびにしたに違いない!
というのが、あくまで私の推測であるが、ほぼ確信に近い感じがする。
有料化には反発があたし、実現すると、ブリーフィングを受けずに飛ぶパイロットが出現するという危険が指摘されていた。
有料化は避けられたが、このサービスを無料で提供しているロッキードマーチンも結構きついのだということは想像に難くない。
結論。とっととDUATのメンバーになりましょう。そうすれば合法的なブリーフィング、フライトプランのファイルが迅速に、無料でできます。
とりあえず今はそれしかないかな。(06-25-2007)
P.S. ちなみに、Oakland Radioからの飛行中のサービスは従来どおり受けられます。まずは一安心。
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管制が日本語なら楽なんだけど。
そうですよね。しかし現実は厳しい。
日本国内でも管制は一応英語(または母国語)。
以前RHVにいた管制官、ジョンアンダーソンさんは日本人に対してとても理解がありました。
彼の家がRHVタワーから徒歩5分以内という好立地。
そういうこともあり日本人の生徒のホームステイを受け入れていました。
英語が出来ない外国人のために彼はいつも「非常にゆっくり」話してくれました。
そのため彼の声はラジオで聞き取りやすく、生徒をソロに出す時にも安心して出せました。
それに、ホームステイの生徒から習ったのか、初ソロの生徒が着陸したら 「オメデトウ」とか「ウマクトベタ?」などと声をかけてくれました。
そのジョンが退官するときのパーティーで他の管制官にも会いましたが、少しだけ日本語が話せる(?) 管制官も結構いました。
それからしばらくしたナイトフライト。RHVで離着陸をしていた時、タワーから「キヨサン」と
呼ばれました。ボブの声です。そして彼は
「ワタシハモウオワリデス。」
なんだって?何があったんだ?その絶望的な言葉の裏に管制官の人生の辛さを感じ取ったのですが、
その後彼は、
「RHV tower will terminate air control service within two minutes」
つまり
「今日はもう管制を終了します。」
といいたかったようです。
ああびっくりした。
飛行機の操縦は楽しい。しかし交信が出来ない。そのために単独飛行にでられない、というようなことはありませんか?
特に計器飛行なんかはATCとの交信無くしては飛行にならない。多くの人が抱える問題です。
みんなはどのように解決していますか?
とにかく先ず聞き取りが大事です。
@ 携帯用のラジオで聞く。インターネットで聞く。
A 携帯用のラジオで聞きながら滑走路のそばで飛行機の動きを見る。
Aの方法は管制塔との交信に有効で、実際の飛行機の動きも見えわかりやすいです。
でもこれらの方法だと、聞き取れなかったせりふをもう一度聞きなおすということは不可能です。
聞きなおすためには録音されている必要があります。ナイスエアーの東京事務所では、実際の交信を録音し、文字に直したガイドと音声の入ったCDを販売しています。
これなら聞きながら文字としても確認でき、そう聞こえるまで何度も聞きなおすことが可能です。
ただ、やはり他人の録音というのは他人事です。本当に聞きたいのは、今日の訓練のときにATCに言われて理解できなかったあのセリフ。教官が代わりに返事をしてしまったあの一言でしょう。
そのためには自分の飛行時に録音する必要があります。
私の自家用、計器飛行のときは、事務所にあった大きなラジカセを持ってきて、機内のスピーカーから出る音を録音していました。
当然、、雑音が多い、途中で電池が切れる、途中でテープが切れるなどの問題がありましたが、それでも聞き取りの練習には役立ちました。
教官になってからは、生徒に作ってもらった分岐コードを使って小さなウォークマンにライン取り。
それ以後は生徒さんのほうが工夫を凝らし、MDを使ったりしてより使いやすい形に進化してきました。
最近ではMP3を利用したボイスレコーダーが主流になっています。
カセットテープのように、途中でテープをひっくり返さなくても長時間録音できるし、巻戻しも要らない。
いいとこだらけです。
ただ飛行機の機内は電気的なノイズが多いので機種によってはうまく行かないものもあります。
身に覚えがあるだろうか?Traffic Pattern を回っている最中,または計器進入中にATCから呼び出されたり,返事したりしているとまったく操縦がおぼつかなくなる。そして飛行機は彷徨いだす。交信と操縦。二つのことを同時に行うのはとっても難しいことである。
理由も何もいくつかのことを同時にやるのは難しいことくらい誰でもわかると思う。それだけいろんなところに注意を配らなくてはいけないからだ。Division of Attention といわれているやつだ。なれてきて操縦が出来るようになってくると自然に両方出来るようになる。
しかしよく見てみると,なんだか自分で余計なことをして交信中に飛ばせなくなっている場合も多い。交信中の自分を思い出してみよう。マイクのキーを押しながら他に何をしているだろう?
1. 左手でマイクのキーを押しているとき,右手で「マイクをつかんでいる」。これってまったく意味の無いことだけど,結構やっている人が多い。つかんだほうが大きい音で送信できると思っているのか?
2. 顔を左右に振る。当然目はあっちこっち行って,計器のスキャンも出来ないし,姿勢も見えない。
3. 体を揺する。結構激しく。自分で乱気流を作っている。
4. 右手が泳ぐ。耳を触ったり,ひざを掻いたり,スロットルを触ったり。少しは落ち着け。
5. 貧乏揺すり。あるある。
6. 上記の組み合わせ。
どうだろう?いくつか当てはまるのがあっただろうか?これを意識的に無くすだけでも結構フライトに集中できると思うのだが。交信中も体はそのまま,右手もスロットルのままで,さりげなくマイクのキーを押してみよう。少しは変わるかも?
北斗神拳ではないが、操縦技術をそのまま人に伝えるのは難しいということをいいたい。
私は自家用の訓練中二人の教官に教わった。メインは若い(当時21歳の若造!)アメリカ人で、日本人の教官が時々確認のために飛んでくれた。ところが、アメリカ人教官に教わったとおりにやっているつもりなのに、日本人教官には「それではだめです」としかられてしまう。今から考えればとても些細なことだったと思う。確か上昇の速度が違うと指摘されたのだ。アメリカ人教官は80MPHで上昇しろと言っていたのに、日本人教官は76mphでと主張する。私は混乱してしまった。どっちが正しいんだ?今ならわかる。どっちでもいいのだ。76mphはマニュアルに載っている最良上昇速度で、最短時間で高度を稼ぐことができる。アメリカ人は「大体80ならいいや」と(英語で)考えていたんだろうが、日本人の教官はマニュアルの数字を正しく守れるように、教えてくれたのだ。もちろんそのほうがいい性能が出るのだが、その時点で大差は無い。
こんな風に教官によって教え方がかなり違うことがある。いや、10人教官がいれば10通り教え方があるといってよい。なぜそんなに違うのか? これが一子相伝といわれる所以である。
教習に使う飛行機にいったい何人乗れるか?セスナ152なら教官と生徒一人ずつだけ。他には誰もいない。セスナ172でも4人乗りである。しかも二人は後席に乗っているので、視線が微妙に違う。そのためしっかり教えられるのは教官の横に座っている一人だけなのだ。
操縦の手順については、教室で100人を相手に講習することができるが、実際に飛んでみないと正しいイメージは伝えられない。人の顔の特徴を言葉で説明するか写真を見せるかのほどの違いがある。そのため、飛行機の飛び方にはさまざまな流派が生まれてしまう(名乗りはしないが)。そのことが生徒を混乱に導くのだ。
逆にいうと、それだけいろいろな飛び方をしても飛行機はちゃんと(?)飛ぶのだ。割と融通の利く乗り物ではある。ただ各々自分のやり方が一番と思っているだけで。だから違う教官に、違う飛ばし方を教わったときは「儲けた!」と思うようにしよう。それからその飛び方が本当にいいか、自分にあっているか考えて、納得すれば、そうすればいいし、そうでなければそうしなくていい。
注意すべきは理由だ。自分のやり方が正しいと思う理由がちゃんとある教官はいいが、中には、理由も無く、自分が教わったことを盲目的にコピーしているだけの場合もある。その点の確認はしっかりと。
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もっともなことわざで、いまさら意味を問うこともないと思うが、飛行機の教習現場ほどこのことを痛感することはない。練習したくてもできないことがあったりうっかり練習すると命にかかわることもある。だからいろんな事故事例からなぜ事故が起こるかを学び、どうしたら事故を起こさないですむかという対策に結びつける。
ところがそのことが如何に難しいいかということをしめす事件が起こった。実は恥ずかしい話だが、今年(2006)の正月早々うちの飛行機がハイウェイに不時着するという事件が起こった。幸いにも、けが人は無く、機体も無傷、巻き添えも何もなしというすばらしい着陸だったようだ。しかし原因が悪い。ガス欠。しかも反対のタンクにはまだたっぷりガソリンが残っているではないか。ご存知のとおり通常燃料タンクは翼内にある。たいていは左右の翼に分かれている。高翼機は左右のタンクから同時に供給されるが、低翼機は片方ずつしか供給できないので普通は30分に一回タンクを切り替えることになっている。どうやらそれを忘れたというのだ。きれいな不時着もこれでは帳消しだ。起こるはずの無い事故。ただのボンミスで世間を騒がせてしまったのだ。地元のテレビは大騒ぎで、ハイウェイで途方にくれるパイロットを指差して「彼が、タンクの切り替えを忘れたパイロットです。」などと放送していたり。早速ミーティングを開いて手順の確認にや対策を話し合った。みんな自分で無くってよかったと思いつつ、絶対こんなへまはしないぞと心に誓ったことだろう。
ところがそれから一月しか経っていないのにだ、同じ事件が起こってしまった!2月12日午後。空港にあと1マイルというところで無線にELTの音がかぶりだした。こんなところで誰が、と思って見渡したところ、眼下のTully Roadに低翼機が座り込んでいる。なんだかダメージもありそうだ。着陸後集めた情報によると"One tank dry, the other full."だそうだ。なんてこったい。操縦していたパイロットもベイエリアの住人だというからきっと正月のニュースを見て知っているはずだ。ハイウェイに降りた飛行機を笑っていたに違いない。まさか自分に起こるとは思ってもみなかったのだろう。
幸いけが人は無かったものの機体は相当の被害。あの丈夫なランディングギアが完全につぶれている。そのおかげで人が助かったんだろうけど。
人事だと思っちゃいけませんね。
飛行機の教習に最もよく使われる機体はセスナ152だ。日本ではあまりなじみが無いが、高翼、単発、二人乗りのこの機体は使いやすさ、経済性の点で他機の追従を許さない。多くの飛行機学校が入門機として採用している。うちの学校でも10機が常時稼動している(生徒がいないシーズンはもちろん稼動していない)。この飛行機は、飛行機界の原チャリだ。手軽に扱え燃費が良く小回りが効く。その反面、物が運べない、遠出に不向き、よく揺れるという欠点まで同じ。それでもたいていの人はセスナ152で免許を取ってその後セスナ172へとステップアップして行く。
エンジンはライカミング社製のO-235水平対向4シリンダー最高出力110馬力。110馬力?そんなに?と思うか、たったそれだけ?と思うか。最近の車のエンジンだってもっと出力があるぞ。なのに飛行機が110馬力。少し悲しいかな?まあ原チャリと同じレベルだから許してほしい。もっと大出力の飛行機も存在するので安心しよう。
ところであなたが飛行気乗りマニアならレッドバロンという名前を聞いたことがあるだろう。この名はエアレースの飛行機名になったりアクロバットチームの名前になったりいろいろと流用されている。元は第一次大戦中のドイツ軍のエース、マンフレッド.フォン.リヒトホーヘンのことだ。彼は真紅のフォッカーDr1三葉機を自在に操り、向かうところ敵無し。連合軍の飛行機を次々と撃墜していった。その戦い振りは華麗にして豪快。敵国のパイロットから「レッドバロン」として恐れられまた尊敬もされていた。スヌーピーが皮の飛行帽をかぶって犬小屋の上で飛行気乗りを夢見ながら「レッドバロンを探して」も彼のこと。
そんな彼の愛機、フォッカーDr1はなんとやはり110馬力。セスナ152と同じではないか。つまり我々は当時の最新鋭の戦闘機と同じような飛行機で訓練をしているのではないか。レッドバロンが生きていたらきっと「こら!素人にそんな飛行機乗せたらあかん!」と叱責するだろう。まあしかし落ち着けバロンはん。同じ馬力でもフォッカーは丈夫な骨組みに軽い布張り。空中戦のために運動性を追求している。比べてセスナはあくまでも訓練機。素人でも操縦しやすく、安定性も良い。無茶はできないようになっている。良かった良かった。
しかし科学の進歩は目覚しい。良し悪しはともかく、もしかしたら10年後くらいにはF-14のよう飛行機で訓練するようになっているかもしれない。そのとき訓練生は言うだろう。「昔の人はちゃちな飛行機で戦争してたんだなあ。」