アルコール依存症者と一緒に生活していると、飲酒によっての被害は避けられないかもしれません。また、その被害も癇癪だから、とか、ただのヒステリーとかいった人間性であると誤解され、許してしまう場合も多いでしょう。では、具体的にどのような事が飲酒問題と解釈出来るのか考えてみましょう。

まず、 家庭での問題です。夫婦喧嘩。飲酒によって起きている事が多いと思います。たとえ飲酒とは関係のない話題から喧嘩に発展しても、依存症者が飲酒中であれば、酔っている状態での思考はまっすぐではないので、その為に喧嘩になる場合は多いでしょう。
家族に対する暴言、暴力などは言うまでもありません。夫婦関係が機能しない状態、別 居や離婚も飲酒問題です。 また、子供への影響(ACOAにさせてしまう)も飲酒問題とされます。

職場での問題としては、遅刻、欠勤など、社会人として無責任な行動をする事や、その為に実績が下がる、収入が減る等。職場で飲酒をして失敗をしたり、社員に迷惑をかける事もそうです。色々な問題の結果 、失業する事も飲酒問題です。

経済的な問題はどうでしょうか?お酒を買う為に家庭で必要なお金を使ってしまったり、クレジットカードの使い過ぎ(酔っている時は記憶がないので要注意)や借金も飲酒問題です。他には飲酒によって起きた問題に謝罪する為の出費(事故、物の破損、怪我等の病院の治療費)など。

その他、社会的な問題があります。警察問題になるもの(強盗、放火、殺人)や飲酒運転です。

家族には直接の関係はないと思われがちですが、飲酒が原因で体を壊すことも飲酒問題でしょう。臓器にも直接の被害がありますし、また、精神的にも鬱がエスカレートする等。これらの事も、病院に行く事になれば経済的な問題にもなり得ます。

家族には、これらの問題が飲酒のせいで起きていると分っていても、頻繁に起きていると許してしまう事もあるでしょうし(遅刻等、依存症と知る前から起きていた場合はいつもの事、と思ってしまう)、また、夫婦喧嘩等は人間性だと捕らえると、一概に飲酒だけの問題ではないと解釈されがちです。しかし、家族には「飲酒が原因で起きた問題」をハッキリと見極める勇気が必要です。それがその人の人となりではなく、その人の病魔が起こしている問題だと知る事によって、自分のすべき行動が見えてきます。

イネイブラーを止める  飲酒問題は冷たいようでも「本人の問題である」と割り切り、家族がその問題に関わらない事、解決しない事がイネイブラーの行動を止める第一歩です。職場での問題を解決しようと上司に謝ったり言い訳をする、請求を仕方なく支払う等は、本人にさせる事として任せましょう。

プロヴォーカーを止める これらの飲酒問題を、「貴方のせいだ」と必要以上に責める事は止めましょう。また、問題が起きる度にそれ見た事かと問題を大袈裟にするのを止めます。依存症者のせいで自分に迷惑がかかる、と言う考え方を切り捨て、「これは貴方の問題です」といった感じで、その後の行方は依存症者に任せます。


夫婦喧嘩は妻がとる行動によって避ける事が出来ます。別居、離婚等、自分の問題でもある場合は、自分の決断である事も忘れずに。何事も自分の為にするのであって、それを他人のせいにする事は、たとえ依存症者であっても、出来ません。暴力等を受けた時は逃げる事、警察を呼んでもいいでしょう。経済的な問題は、お金を渡さないなどしてできる限り避けるようにします。

問題の原因が飲酒なのか、そうでないのか、冷静に理解する事によって、自分に集中しやすくなります。 そして、これらの問題は家族には防ぎようのない「病魔の為せる事」であり、また、家族に解決出来る事ではありません。一時的に解決しても繰り返すばかりです。


DVについて
DV(Domestic Violence、ドメスティックバイオレンス)とは、日本では夫婦間や恋人関係の間で起こる暴力の事を意味します。また、日本では物理的な暴力だけに留まらず、精神的、性的、経済的な暴力という解釈をされる場合があります。殴る、蹴る、物を投げるなどの身体的暴力の他、侮辱や暴言、無視、大切なものを壊す、性行為の強要、相手の人間関係を壊す、相手を極度に監視、生活費を渡さない、無理な収入の強要、拉致、プライベートの妨害などなど、その行為は様々です。一般 的には夫から受ける暴力として受け取られたりしますが、精神的な暴力も含む言葉であるならば、家族が依存症者にしている行為にも当てはまるでしょう(依存症者を罵る等)。ここまで細かくDVと判断すれば、家族の行動にも制限が出来てしまうと思う人もいるでしょうが、DVはあくまでもバイオレンス、他人を故意的に傷つける為の行為であると考えましょう。
アメリカでも使われる言葉ですが、日本とは解釈が違います。アメリカでは「家庭内で起きる暴力」全般 を意味しますので、親が子供に、子供が親に、夫が妻に、どんな関係でも当てはまります。また、精神的な暴力には使われず、一般 的には警察を呼んでもおかしくない内容(アメリカでは多少の暴力でも警察を呼びます)であればDVです。暴言などはDomestic Abuseという別名がありますし、性的強要には夫婦間でもレイプとなります。
自分に、なんらかの形で暴力を振るわれていると思ったら、勇気をもって立ち上がる事も必要です。DVという言葉は社会的に浸透しつつあります。DVは飲酒問題とは別 として考え、医師や警察に相談する事は恥ずかしい事だとは思わず、行動するべき時は自分の為に、行動しましょう。


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