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Cinema Sha-verite... Vol.2 / 2000

     

"MISSION: IMPOSSIBLE 2"

May 24, 2000 (Wednesday)

Mann Village Theatre, Westwood (初日)
監督:ジョン・ウー
出演:トム・クルーズ、ヴィング・レイムス、サンディ・ニュートン、ダグレイ・スコット


ユタ州の大渓谷でロック・クライミングをお楽しみ中(?)のイーサン・ホーク(クルーズ)の元へ
本部からメッセージが届く。今回の任務は、人工的に開発された殺人ウイリス「キメラ」で
世界征服を企む連中からウイリスと解毒剤を奪い取る事。そして、前作から引き続き登場する
ルーサー(レイムス)に加え、窃盗のプロとして国際手配されているナイア(ニュートン)という
女性を仲間に加えるよう指示される。

スペインで美しいナイアと接触したイーサンは一発で彼女にひと目ボレ。カーチェイスしながら
求愛するという男なら一度は試してみたいムーブで、そのままベッドへ。
(一緒に見に行った女友達が横で「え、もう?ちょっと早すぎるよ、あれは!」とのコメント)

アンソニー・ホプキンス扮する上司らしき男(クレジット無しでの特別出演)と合流した
イーサンは、追っている悪者がイーサンの元同僚のアンブロウスという男で(スコット)、
ナイアの元カレだと知らされる。ナイアを仲間に入れたのは、彼女を使ってアンブロウスに
接触し、ウイリスに関するデータを盗み取らせる事にあった。

せっかく美女と出会えたのに、「元カレからデータを盗め」と言わされる羽目になった傷心のイーサン。
だが、心を鬼にしてナイアに指示。従わなければ、国際窃盗犯として告発されるナイアは仕方なく
協力する事に。

アンブロウスが世界各地から発信される犯罪情報にアンテナを張り巡らしているとにらんだ
イーサンたちは、警察情報を操作してナイアが逮捕されたとニセの情報を流す。それを傍受した
アンブロウスは、ナイアのために保釈を手配し、彼女を自分のアジトへ連れてくる。ナイヤの
身体にはスキャナーで検知不可能な超小型発信機が埋め込まれてあり、コンピューター・エキスパートの
ルーサーが悪者一味のアジトを探し当てるが・・・

*********************************

公開数日で$100ミリオン近い興行収入をあげて、この初夏一番のブロックバスターの
ポジションを確保したこの映画。でも、僕自身は「ちょっとガッカリした」というのが正直な気分。

各誌に掲載されている「M:I−2」関連の記事を読むと、撮影直前まで数多くの著名な
脚本家が雇われて、全部ボツになった挙句、「チャイナタウン」の名脚本家ロバート・タウンが
呼ばれたのだそうです。ただ、タウンが知らなかったのは、主要なアクション・シーンだけがすでに
決まっていて、つじつまが合うような物語を新たに書かなければいけなかった事。前作で「ストーリーが
わかりにくい」と総スカンを食らったので、今回はラブストーリーを中心とした簡単な筋書にした
ようですが、あまりにも新鮮味の無いストーリー展開には「なんで?」と頭を傾げてしまいました。

これは僕の期待度にも問題があったのかもしれません。

このシリーズはあくまでも「スパイもの」であるべきで、サスペンスやアクション重視。ラブ・
ストーリーは伏線として扱われるべきものだと思ったのです。今回はシナリオがあまりにも弱いので、
ウー監督のヴィジュアルな演出のお陰でなんとか耐え抜いたという感じ。

ナイヤ役のサンディ・ニュートンはめちゃベッピンですけど、どのショットも同じ表情で、後半では
いい加減飽きてしまい、大切なシーンでは感情移入ができなかった。彼女が世界でもトップクラスの
窃盗犯なのにもかかわらず、イーサンに一発で見つかってしまうっていうのはダメダメ。

クライマックスの肉弾戦も観ていてちょっとツラかった。マーシャル・アーツを取り入れたい気持ちは
良く分かるけど、普段武術をしない人にさせるとこうなるよという悪い手本を作ってしまったのでは。
「ほな、『マトリックス』はどうやねん?」と追及されそうですが、あの作品では、キアヌ・リーヴスが
あくまでも香港映画を彷彿させる「殺陣」に基づいてアクションシーンに挑んでいて、僕はそれを一種の
香港クンフー映画への「オマージュ」として受け止めました。しかし、「M:I−2」では、リアルな
殺陣を見せようとしているので、格闘技の基本をマスターしていないトム・クルーズがやると、どうしても
無理な動きになってしまう。アクロバットな動きを入れてはいるものの、「シャンハイ・ヌーン」の
ジャッキー・チェンの素晴しきアクションを観た後にこの映画を観たのはタイミング的にも悪かったと
思いました。

エンディングもなんか安もんの昼メロのような終わり方。「終わり良ければすべて良し」と言いますが、
この時点で僕の中ではタイトルが「Mission: Incomplete」と変わってました。

興味深かったのは、1作目も今回の「2」も、動きのあるシーンになると監督のテイストがはっきりと
出ている事でした。前作では、解説的なシーンはウンチクだらけで全然面白くなかったけど、サスペンスが
要求されるシーンでは(CIA侵入、クルーズ宙ぶらりん)デ・パルマの本領発揮。今回も、アクション・
シーンになると、画面がいきいきとしていました。特に後半のオートバイ・チェイスは素晴しかった!
(オートバイ・チェイスが好きな人は、ジェット・リーの「ロミオ・マスト・ダイ」必見。映画は
ショーモナイけど、派手なチェイス・シーンは合格。)

後半のアクションが始まる直前に、鳩が登場したのは嬉しかった。劇場でも3人ほどのハードコアな
ジョン・ウー・ファンが拍手していましたね。評論家の中には「セルフ・パロディだ」と酷評している輩も
いますが、僕はこういう演出家の「署名」が好きです。ジョン・ランディスの「..see you next Wednesday..」
とか。



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