Cinema Sha-verite... Vol.3 / 2000

(チケット。本物には3ケタの番号が印刷されています。)
"BRUCE LEE: A WARRIOR'S
JOURNEY"
October 22, 2000 (Sunday)
Chinese Culture Center, San Francisco
(ワールド・プレミア)
監督:ジョン・リトル
出演:ブルース・リー、ダン・イノサント、カリーム・アブドゥール・ジャバール他
実は、今日は11月23日です。映画を観てからもう1ヶ月も経ってしまいました。
うちの兄に「忘れない内に書いてくれ」と言われながらもつい書くタイミングを
逃していました。それに、この作品は文章ではなかなか伝えられない要素があまりにも
多すぎて、書くこと自体が無駄のように感じてならなかったというのが本音です。
(この作品の製作のいきさつなどは他のメディアで散々書かれているので省きます。)
日本人によって作られる「死亡的遊戯」と違い、この作品の最初の1時間半はドキュメンタリー
スタイルで、リーが映画スターである以前に熱心な武術家であり、哲学者であったことを
低い声のナレーターが説明してくれます。ファーストカットは2時間半近くあったそうで、
途中あまりにも哲学関係の話が長くなってしまったため刈り込んだと聞いていますが、
それでも教養的な説明の部分がかなりのウエイトを占めていたような気がしました。
各チャプターの頭にはタイトルカードが入りますが、"GAME OF
DEATH"と出た時は会場全体から
座り直す音が聞こえました(笑)。ナレーターが、ロバート・クロース版ではリーが撮影した
素材からたった11分の映像しか使われなかった事。そして、現存するフィルムがストーリーの
どのポイントから始まるのかを説明した後、いよいよ幻の映像が動き出しました・・・
あっと言う間の30分強。はっきり言ってどこがどうだったのかあまり覚えていません。
詳しくリポートできたらいいんですけど、メモも録ってないし。とにかくブったまげたとしか
言いようがありませんでした。いちばん驚いたのは、アクションとコメディのバランスが
実にすばらしかったという点でした。ワールド・プレミアの前日に行われた「回顧展・前夜祭パーティ」で
中村頼永氏から「結構笑わせてくれるんですよ!」と聞かされてはいましたが、あれほど爆笑させて
くれるとは思ってもいませんでした。「ドラゴンへの道」でもかなりのコメディアンぶりを
発揮していたリーですが、"GAME OF
DEATH"では截拳道の本質を極めるセリフを随所に散りばめながら、
笑いはしっかり取るという高度な演出をしていたんです。日本版「死亡的遊戯」でそういう点が
どのように扱われているのか、興味シンシンです。
でも、すべてに満足したわけではありません。
音楽はジョン・リトル氏の弟(もしくは兄?)が担当したそうですが、これが全然良くなかった。
予算の関係もあったと思うけど、もうすこし迫力のあるスコアを書ける人にやってほしかった。
また予算という点では、製作したワーナーの判断で、劇場公開をせずにビデオ・リリースだけで
お茶を濁してしまっていることに納得できませんでした。僕たちが観たのは簡易スクリーンに
ビデオプロジェクターで映された映像だったんです。あれがもしフィルムで、大スクリーンだったら
どんなに迫力があったかと思うと残念で仕方ありません・・・。(ビデオ発売は来春予定。)
ちなみに、日本版に協力している中村氏によると、「アクション・シーンの編集に関しては、
日本版の方が迫力があると思いますよ」という事でした。怪鳥音の選び方&アテ方、効果音の付け方、
OKテイクの選び方にもファンならではのこだわりが作品のニュアンスを良くしているのでしょう。
僕も機会があれば、ぜひ日本版を観てみたいと思います。
ブルース・リー・ファンにとって「死亡的遊戯」を観るということは、考古学者がピラミッドの
謎を解くくらいのインパクトがあるはず。でも同時に、「死亡的遊戯」を観ることは、リーが我々に
残した最大のプレゼントを開けて、中身を見てしまうことにもなるんじゃないかと考えてしまいました。
「死亡的遊戯」を観た後、これから何を探し求めていけばいいのかと少し感傷的になってしまったのは
僕だけじゃなかったと思います。
生きていれば今年で60才。
リーさんの笑顔、実際に観てみたかったです。
今回のシャベリテ・エッセイを故・飯田さん(東宝東和)に捧げます。
Ciname
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