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Cinema Sha-verite... Vol. 4 / 2002



「パニック・ルーム」
"PANIC ROOM"

May 30, 2002 (Thursday)
大阪府・ワーナーマイカル茨木 (¥1,200)

監督:デビッド・フィンチャー
出演:ジョディ・フォスター、フォレスト・ウィテカー、デゥワイト・ヨーカムほか

フィンチャー監督は「中に入り込む」のが好きなんでねぇ。
「ファイトクラブ」でも、やたらと顕微鏡のようにカメラが奥深くに入っていく
カットがいくつかあったように覚えています。
今回も、鍵穴からキッチンの狭いカウンタートップの間とか、もうカメラが
飛びまくってました。あそこまでやられると、もうどんどんやれっ!という気にも
なりますが・・・(笑)

それにしてもこの監督は作品を重ねる度に演出力が素晴らしくなっていくように
思えます。「セブン」の時は、ヴィジュアルの感覚などまるでリドリー・スコット
だったんですけど、今回は「あの暗さ」を出すのにどこまでこだわったのかと考えると
ちょっと嬉しくなってしまいますね。日本の映画界じゃ、あの微妙な暗さは出せないのでは?
撮影部が暗部を出したいと思っても、照明部が怖がってそこまでライトの照度を落とせない。
その逆もあるらしい・・・(これ、東映太秦撮影所で働いていた照明部のニイチャンから
聞いた実話です。)

ジョディがちょっとグラマーになってるなと不思議に思ってたら、彼女は撮影中に
おなかに赤ちゃんがいたんですね。

僕は10年ほど前に、日本向けコカ・コーラのCF撮影でフィンチャーの仕事振りを
見たことがありました。撮影が遅れて別班(セカンドユニット)を組むことになり、
フィンチャーは別班ディレクターとして急きょ登板してきたというわけです。
元々彼はILMで特撮の撮影をしていたこともあって、画面作りもすべて露出計の数字で
構成していくんです。画面のどこがどれほどの色や明るさになってるか、ファインダーを
覗く前からすべて把握してるんです。職人っぽい仕事をしてるなぁ・・・と感心しました。

肝心の映画ですが、あんまり怖さはなかったですね。
観客を怖がらすという点ではそれほど目新しいものはなかったし。
怖さで言えば、ヘップバーンの「暗くなるまで待って」の方がよっぽど
怖かったような気がします。
でも、グイグイ観客を引き込んでいく脚本は良く書けていました。
悪党たちがお互いを小バカにするあたりのセリフは好きですね。
(残念ながら字幕ではそのへんのニュアンスが表現されていませんでした。
 戸田さん、ごめんなさい。)
久しぶりに満足できる「スリラー」だったんじゃないでしょうか。

個人的には、久々にアン・マグナソンを観れたのが収穫でした。

オープニングタイトルのデザインが粋でしたね。


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